「ひと」めぐり

暖かな学び舎『en.shareplace』を取り巻く4人の女性たち

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荒井千尋

釧路町出身 釧路町在住

赤間有美子

釧路市出身 釧路市在住

甲谷由美

根室市出身 釧路市在住

平川綾

札幌市出身 釧路市在住

荒井さん(右)
1986年生まれ。ご自身の子育て経験から「一生懸命子育てをしているお母さんお父さんを癒せる空間」をコンセプトに、en.1階に「コノワカフェ」を準備中。
現在子育てとより良いen.の空間作りに奮闘中の癒し系代表。
赤間さん(左から三番目)
1970年生まれ。飲食店を経営する家庭で育ち、現在は「じみぱん」の愛称で知られるこだわりのパンを「パン工房AKAKOU」で作っている。
パワフルなen.の発起人。
甲谷さん(左から二番目)
1970年生まれ。オリジナルブランド「Laugh sion(ラフ シオン) 」としてドライフラワーのリースや、バブーシュなどを多岐に渡って制作。
素敵なオーラ漂う雑貨屋さん。
平川さん(左)
1973年生まれ。やりたいと思ったことをとことん追求していく手芸屋さん。
現在は自身のショップ「Lin+(ラン プラス) 」で洋服やカバン、アンティークの手芸用品などを揃えている。

釧路駅裏手から伸びる国道を走ると、鳥取神社の手前に、クリーム色の細長い建物がある。
なんの宣伝文句も広告も書かれていない建物に取り付けられたランプが、「en.shareplace」という手書き風のシンプルな看板を照らす。
突如そこに現れたおしゃれでナチュラルなテイストのその場所には、笑顔で迎え入れてくれる女性たちがいるという。

en.のはじまり

en.shareplaceは2015年12月からプレオープン中。
正式なオープンは春頃の予定となっているが、現在も様々なメディアに取り上げられたり、分野を問わずイベントやワークショップを開催している、
今注目の場所の一つである。
もともと美容院だった物件を見つけ、そこをリノベーションして、現在では4人の女性メンバーそれぞれの店舗(工房)と
レンタル可能なシェアスペースが入っている。
en.shareplaceとは、一体どのような場所なのだろうか?

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ー まず、en.shareplace(以下、en.)のコンセプトについて教えてください

赤間さん(以下、赤):人が集う場所、ですかね。でも、それも無機質じゃなくて、居心地のいい空間にしたかったんです。

ー 雰囲気があって、おしゃれですよね。この空間を作るために、こだわったことはありますか?

赤:誰かが描いた空間じゃなくて、自分たちが描いた空間にしたいなと思って。
1階部分は、ちひろちゃん(荒井さん)が担当してくれたんだけどね。配色とかを決めてくれたの。
2階の3店舗はそれぞれがこだわりを持って内装をやったんですけど。

※en.の1階は、シェアスペースと荒井さんの「コノワカフェ」、2階の3部屋はその他のメンバーが使用している。

ー その中で、特にこのen.内でお気に入りポイントはありますか?

全員:…薪ストーブかなあ。
赤:これは、わたしが「薪ストーブがいい!」って言ったんだけど笑 
ていうのが、甲谷さんの家が薪ストーブなんです。
ずっと憧れてたので、en.に置きたいなって思っていたら、ここがもともと煙突があった物件なので設置できたの。
甲谷さん(以下、甲):イタリア製の、スタイリッシュな薪ストーブなんですよ。

ー いま現在はプレオープンということで、利用者さんからの反応はいかがですか?

赤:シェアスペースの利用者さんは、「またここでワークショップをやりたい」って言ってくれてますね。
ゆくゆくはスペースだけでなくてキッチン貸しもしていきたいんです。
例えば、衛生管理者の資格さえ持っていれば1日だけでもカフェ営業ができるとか。
やっぱり、キッチン貸しをしてくれる場所って少ないので、「やりたくてもできない」っていう声が多いんですよね。
内装にもこだわってるので、利用者さんが「使いたくなる」ような素敵なキッチンを提供できたらなと思ってます。

ー en.は「4人の女性の共同運営」で成り立っていますが、メンバー間のルールなどはあるんですか?

赤:…ないね!(一同笑)

ー ないんですか!?

赤:いや、それって、すごいと思うの。普通なら、なにかしらあるじゃない。
甲:みんななんでもOKなので、どんな状況でも「なんとかなる」って思ってるんだよね。
赤:できるときはできる。できないときはできない。ただそれだけ。
甲:うん、無理しない。どんな困難が来ても全然余裕です、このメンバー。そういう自信があるので笑
平川さん(以下、平):うん、なんとかなりますよね。
赤:ルールがないからと言って無秩序でもないんですけど笑 モラルはある笑

ー だからと言って、お互いのことに興味がないわけではないですよね。
こちらから見ると、お互いに干渉していないように見えますが

甲:お互いに干渉する必要のない関係ですよね。
平:もうみんなそこはできあがってますから笑 そういう意味で完成形なんです笑
赤:それから、ゆるいの。ゆるいつながりなの笑
荒井さん(以下、荒):…どうしてでしょうね?笑
赤:うん、自分たちもどうしてこんな関係になったのかわかってない笑

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en.メンバーそれぞれのご家族も自慢の薪ストーブを囲んで団欒(左)、改修は市民参加のワークショップ形式で行った(右)

それぞれの”縁”に溢れた道のり

en.の4人は、手を広げる分野も雰囲気も年齢も全てがバラバラ。
個性的なこの4人が、今までどんな道を歩み、そしてen.にたどり着いたのか。

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ー それではまず、赤間さんの経歴について教えていただけますか?

赤:高校を出てからは事務の仕事をしていたんですが、やっぱり小さい頃から憧れていた調理をやろうと思い、専門学校を目指していました。
ですが、今の旦那さんに出会いまして、結婚をして、子供が3人生まれました。
結局専門学校には行かず、子育て三昧笑。子供はすくすくと育ってくれましたけど、食物アレルギーを持ってたんです。

ー お子さん3人ともアレルギーをお持ちだったんですか?

赤:次女と末っ子が持ってましたね。
私の子供の場合は、乳製品や鶏肉、卵がダメでした。
末っ子が特にひどくて、本当に食べられるものが少なかったんです。

ー では、お子さんも赤間さん自身も「食」については相当苦労されたのですね。
それが、パン作りにどのように結びついていくんですか?

赤:パンは、実は長女が生まれた時からホームベーカリーでちょこちょこ作ってたんです。
末っ子は小麦は大丈夫だったので、「じゃあ本格的にパン作りを学ぼう」ということで、パン教室に通うようになりました。
そこで学んだレシピを対アレルギー用にアレンジして、家でパンを作っていました。
今も、道産小麦や低温殺菌の牛乳を使うとか、食材にもこだわりを持って作っています。

ー パンをお客様に提供し始めるようになったきっかけは何だったんでしょうか?

赤:実は、37歳の時に乳がんを患ったんです。
幸い完治はしたんですが、社会復帰するには体力も自信もなかったんです。
そんな時に、友達夫婦が「カフェを一緒にやらない?」って声をかけてくれて、
「ベーカリーカフェ じみへん」のパン部門に加わったんです。

※「ベーカリーカフェ じみへん」:かつて、釧路市の行政施設などが点在する釧路駅にほど近いエリアである、黒金町にあったベーカリーカフェ。2010年に閉店。

ー 今まで家族のために作っていたパンを、お客様に出すことで、パン作りに対しての気持ちの変化はありましたか?

赤:安定した質の提供を心がけるようになりました。作れる種類は少なかったんですけど。
また、私はプロのパン職人の味を目指すのではなく、
親しみやすい家庭的な「お母さんの味」を追求しています。
そしたら、お客様から私のパンを「じみへんのぱん」の略で「じみぱん」と愛称で呼んでもらえるようになったんです。
それは嬉しかったなあ。

ー 続いて甲谷さんの経歴について伺っていきたいと思います

甲:高校時代までは根室に住んでいて、2年間だけ東京で学生をしていました。
そしてまた根室に帰って、教育系の仕事をしていました。
10年くらい同じ職場で働いてましたね…もう曖昧なんですけど笑 
実は小学校の文集には「将来なりたいもの:自営業」って書いてました笑

ー自営業とは、大人びた表現ですね!笑 当時のお仕事はどんな感じだったんですか?

甲:大きな苦労はありませんでしたが、当時は自分の人間形成ができてなかったんですよね。
色々と葛藤しながら、仕事をしていました。
結婚をしてからは退職して、子供も生まれて、専業主婦になりました。

ー 甲谷さんは、お子さんは何人いらっしゃるんですか?

甲:小学5年生の男の子が1人います。
それこそ、私の息子が幼稚園に入るときに、通園バッグやなんやを作らなくちゃいけなかったので、
必要に迫られてミシンを買ったのが手芸への第一歩でしたね。
学生の頃は家庭科なんて大の苦手だったのに笑 

ー それがどんな風に手芸のお仕事への道へつながっていったんでしょうか

甲:私が手芸を始めた当時はネット上での手作り雑貨取引が盛んだったので、私も何か作っては出品してました。
それが売れることが楽しくって、どんどんハマっていったんです。
毎日毎日、巾着とかマスクとか作ってましたね。
結構、ネット上の取引って面倒くさい手続きが多いんですけど、自分のことは「工場」だと思って作り続けてました笑
作るのも楽しいし、売るのも楽しい、っていう。
多分その二つがうまい具合に重なったんでしょうね。

ー 他にどういったものを作られていますか?

甲:リースも作っています。小さい頃からやまぶどうのツルで作ったりしていたんです。
一人でも山の中に入るのが好きだったので、自然とそれを大人になってからもやっていたという感覚ですね。

ー 甲谷さんはen.に拠点を置く前は、どこで活動されていたんですか?

甲:制作は自分の家を工房として使っていたんです。それから、バブーシュ作りの講師もしていました。
また、colorfulっていう作家集団(過去の「ひと」めぐりにも登場してくださった三上智美さんも所属する釧路の作家集団)を作って、
みんなで一緒にモノづくりやイベントをやってたんです。
今も参加していますよ。

ー お次は、平川さんについてお聞きしていきたいと思います。

平:出身は札幌で、育ちは当時の上湧別町でした。
高校卒業後は網走で学生をしたのち札幌に移って、10年くらい医療系の仕事場で働いていました。
今は専業主婦で、4年半前に主人の仕事の都合で釧路に来たんです。

ー 平川さんはどういったことがきっかけでモノづくりを始めたんですか?

平:私はね、天から降りてきたの笑。突然「あ、やってみたい」って思って、始めたらハマっちゃって。

ー 天から!笑 では、幼少期の体験や作家さんとの出会いなどがきっかけというわけではないんですね

平:学生時代は家庭科とか、いわゆる「女の子」なことが一切嫌いでした。
医療系の仕事をしてた時に「私はこの仕事じゃないな」と思いながら働いていたんですが、
そんな時に「何か作ってみよう!」って天から降りてきたんです、急に笑
そのタイミングで、職場で編みぐるみの人形を見つけて、「かわいいなー」と思って、
それで「これなら作れるかな?」「ちょっとやってみようかな」と思って始めたんですね。

ー もともと、興味のあることはやってみる性格だったんですか?

平:いや、そうでもないんだよなー笑。手芸に関しては、そういう気持ちになったんだけど。
そして、当時の職場も編み物が得意な女性が多くって、私の思いつきが続くような場所だったんですよ。
でも、しばらくしたら、今度は「編み物じゃないな、これも違うな」ってなっちゃって笑

ー 編み物も「違った」んですね笑

平:そう笑。そうしたら今度、「ミシン買おう!」ってお金もないのに買って適当に色々作ったりしたんです笑
職場にいた編み物を中心に雑貨を作っていた方とコンビを組んで、一緒に作家活動をし始めることになりました。
私は手芸を始めたばかりの時期だったので、コースターや巾着なんかを作ってましたね。

ー 手芸歴は浅かったけれど、もう作家活動を始めてたんですね

平:そう。それで、そういうのを作っていたら、今度は生地自体にハマっちゃって。
自分でモノを作るよりも、布ばかり買いあさってました。
「布見てるだけで幸せ、でも私に何も作ってない!」みたいなね笑
そうしたら今度、生地から自分で作ってみたくなっちゃって、
今度は、「機織りやろう!」って機織りを習い出したんです。
そんな感じでどんどん手芸の原点に戻っていっちゃいましたね。
さすがに自分で織った生地とかはないんですけど、自分で選んで仕入れた生地を使って作品を作っています。
中でも、長期間着ても着心地がいい「リネン」が好きですね。

ー 荒井さんの経歴についてもお聞きしていていきたいと思います

荒:私は釧路町出身で、高校も釧路市内の高校に通っていました。
卒業後は結婚をして、主人の仕事の手伝いをしながら専業主婦をやってここまで来た感じですね。
子供は二人いまして、上の男の子が6歳で、下の女の子がもうすぐ4歳になります。

ー では、今荒井さんが運営準備をされているコノワカフェは、ご自分の子育て経験からからきているものなんですか?

そうですね。今はもうないんですけど、昔「えぷろんおばさんの店」っていうカフェがあったんです。
そこは、「子育て中のお母さんもお父さんも、ゆっくりのんびり出来るように」というコンセプトのカフェで、
私も小さい子供を連れてそこへ通ってたんです。
もちろん、カフェ営業がメインなんですが、子育て経験のあるスタッフの皆さんが、
手が空いている時はお母さん目線でアドバイスをくれたりとか、話を聞いてくれたりしてくれる場所だったんです。
子供の面倒で普段ゆっくりご飯を食べられない親の代わりにスタッフの方が子供を見ていてくれたりとかしてくれて。
私はその場所がすごく好きだったんです。
子供たちが幼稚園に上がって、手がかからなくなっても一人で通っちゃうくらい笑

※「えぷろんおばさんの店」…かつて海沿いの高台で寺や神社などが立ち並ぶ歴史ある地区「米町(よねまち)」にあった、古民家をリノベーションして作られた子育てカフェ。

ー そこの雰囲気自体がお好きだったんですね

荒:そうです。本当に好きでした!すごく人気な場所で、
入れないときもあるくらいの場所だったんですが、今はなくなっちゃったんです。
ものすごく残念に思っていたので、「いつか自分もこういう場所をやってみたい」という憧れと思いはずっとありました。

ー 実際にコノワカフェを運営するにあたってのきっかけはあったんですか?

「こういうコンセプトで、こんな場所を作ってみない?」という「en.」の立ち上げのお話が赤間さんからあって、その波に乗りましたね笑
そこで、「一生懸命子育てをしているお母さん、お父さんが少しでも息を抜いてまた笑顔で子供と向き合うことが出来るようお手伝いがしたい」という
自分のやってみたかったことができそうだったので、コノワカフェとして、運営準備を始めました。

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赤間さんの開催する「じみぱん教室」は毎回大人気ですぐに予約が埋まってしまうほど(左)
現在開店準備中のコノワカフェでは荒井さんの淹れてくれる美味しいコーヒーが飲める(右)

価値観が違うからこそ尊敬し合える

それぞれの経歴も分野も違う4人だが、見ている方向は同じだという。
この個性豊かな4人が集まったきっかけについて伺った。

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ー そもそも、en.はどなたが発起人だったんですか?

甲:言い出しっぺは赤間さんですね。
平:私、釧路に来たときから赤間さんと一緒に年に1,2回イベントをやってたんですけど、
知り合った頃から「いつか、何か別の形で一緒にやりたいね」とは言ってたんですよね。
そうしたら突然1年くらい前に彼女に突然波が来たみたいで笑 とんとん拍子に話が進んでいった。
赤:「一緒にやるんだったらこの人たち!」っていう人たちに声をかけました。
甲谷さんと平川さんの2人にお誘いしようと決めていたんですが、やっぱり若い人の考えや刺激、子育て真っ最中な意見も欲しいと思っていたら、
ちひろちゃん(荒井さん)がちょうどカフェをやりたいという相談をしてくれたんです。
考えもしっかりしているし、タイミングも良かったので、en.の計画段階の話をしました。

ー 最初、赤間さん以外の皆さんはお知り合い同士ではなかったんですか?

平:そうなんです。他の3人が出会ったのはその頃ですよね。
荒:4人で初めて、en.の近くのカフェで会ったんですよね。
私は、それぞれみなさん良い意味で印象深く、「エネルギッシュな方たちだなあ」と思いました。

ー あの、ひとつお聞きしたいんですけど。複数人で何かを運営するのって、勇気要りませんか?

赤:いや、要らない。(即答)

ー そうですか笑。例えば「価値観の違いがあったら嫌だなあ」という心配はなかったですか?

赤:いや、価値観なんか全員違うもん!
甲:もう、違いすぎてね笑。
赤:うん、そうだね。逆に価値観の近い人たちで集まっちゃった方が難しそうだよね。
甲:私たちは、人はそれぞれ価値観が違うことをみんな理解しているし、その上で尊敬し合ってるから。
平:ワガママも言えるし言ってほしいよね。
よく「女の人4人で集まって大変じゃないですか?」とか言われるんですけど、みんなそれぞれだから、
過度な干渉をせずに個人を尊重できる、良い距離感の4人だと思っています。
甲:多分、もう1人1人それぞれでやっていける人たちの集まりだから、依存することもないし。

ー では、お互い1人でできないから4人で集まったというよりは、この4人でやりたいから集まったという感じなんですか?

赤:そうですね。やっぱり私は、この3人が人として好きだし、尊敬してるし。
なんでかっていうと、裏表がない人たちなんですよね。
1人1人はものすごく技術やセンス、経験に長けた力のある人達でも、経済的にも育児や介護などの家庭的なことも
女性が社会進出をするにあたって様々なハンデがありますよね。
それらを背負いながらもできることをやりたかったんです。
もし何かハンデにぶつかることがあっても、四人でリスクや痛みを分担すればいい。
メリットとデメリットをうまく混合させたのがこの形だと思ってます。
だから私は、自分一人でお店を持ちたいとは考えず、誰かと一緒にやりたかった。
でも、それは私と同じパンを作ってる人とじゃなくて、刺激し合える様々な分野の方と同じ建物の中で「ご近所付きあい」のような形で
やりたかったんです。

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甲谷さんの独特なセンスで彩られた店内には生活に華を添えてくれるバブーシュが並ぶ(左)、平川さんの「好きなモノ」でいっぱいの店内にはシンプルでやさしい品物ばかり(右)

en.という「学び舎」

en.では、毎月様々な「学び」のイベントが開催されている。
それは、運営メンバーの4人が講師となって開催するものもあれば、それぞれの作家友達の方やその道のプロの方をen.にお招きして、
イベントを開催することもある。
そんな時には、en.の4人も「学ぶ側」として参加することもあるそうだ。
en.のウェブサイトに、こんな一文が載っている。
『いろいろな世代の人たちが楽しむことが出来る 今まで知らなかった世界やもっと詳しく知りたい世界を学ぶことが出来る。
そんな「en.」を目指します。』

この一文を中心に、en.のこれからについて語っていただいた。

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ー 今後もen.はこのメンバーの店舗として続いていくものなのでしょうか?

赤:実は、私たちもずっとここで活動し続けたいというよりは、中にいる人を順繰りさせたいんです。
例えば、利用者さんがen.のシェアスペースで一ヶ月間の間だけ、自分で作った作品を売ったりして力をつけて、
そして「自分で店を構えたい」と自信を持てるようになってきたら、私が今使っている上のスペースをお貸します、とか。

ー 個別スペースの責任者が循環してもいい場所なのですね
ではどうやって、「チャレンジしたい」と思ってる人を見つけようと考えていますか?

赤:en.のイベントに来てくださった方の中で、興味のありそうな方に声をかけるとかですね。
どなたかの紹介や雑貨屋さんで見かけた作家さんに直接コンタクトを取ることもあります。
平:何かを始めるきっかけをここで作ってもらえれば嬉しいですね。
その中からそれをどんどん追求していく方が現れたら、en.をやっていた甲斐があると思います。
赤:実際に先日、今おすすめの釧路の作家さんたちを私たちが紹介するようなイベントをやってみました。

ー en.を利用する方に対してはどんな気持ちを持っていらっしゃいますか?

甲:今はやろうと思えばなんでもできる時代だから、私たちのような「普通の人」でもなんだってできるじゃないですか。
利用者さん達の中にキラッと光るものが見つかれば、その刺激やセンスに触れたいし、共有したいですね。
en.のような場所に集まると、それぞれのセンスが広がって、もっと大きいものになるんじゃないかなという期待があって。
教えるというよりも、共有したいです。

ー en.を中心に活動していく中で、最終目標はありますか?

甲:手作りを通して、文化的な意識を高めていきたいです。
特に北海道は文化的な意識があまり高くないので。
手作りしている人の知識や使っている道具とかっていうのは、ものすごい価値があるので、そういうものを紹介して見せていきたいですね。
赤:学ぶことや、手作りのものに対してお金を払うことの価値を伝えていきたいです。
きっと、そういうものにお金を出す意味がわからないというのは、その素晴らしさや価値を「知らない」から。
講習費とかそのモノの中には、その人が今まで注いできた時間や、捨ててきた材料などが経験として詰まってて、それ込みのお金なんです。
甲:芸術とまではいかなくても、手作りのモノの中には個性がたくさん入っていて、作り手の方によって違ってくるので。
荒:いろんな方に楽しんで活用して欲しいですね。
平:そして、自分で学んだことを自分で発信していくような方と繋がれたら、私たちも嬉しいです。
赤:ここに来て「楽しい」と感じるだけでなく、自分の中の輝けるものを見つけられる場所にしていきたいです。

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お互いの分野を行き来して常に学ぶ姿勢を大事にしている(左)、作家さんやショップのカード、次回ワークショップ案内とその見本(右)

今回はen.の4人皆さんに同時に取材させていただいた。
それぞれの経歴について伺っている最中、別のメンバーから「え、そうだったの?」「知らなかった」という声があがり、
そして「そうなんだよ〜」という笑い声があがる。
聞くと、アルバイトやen.以外の活動範囲も広い赤間さんがその週ほとんどいなくても、お子さんが小さい荒井さんが長時間en.にいることが難しくても、
甲谷さんと平川さんが制作に追われる時間が多くても、他のメンバーが当然のように時間や人手を埋めていた。
彼女達は個人の価値観や時間の流れを尊重し、協力し合うが干渉し合わない。なんてバランスのいい関係だろう。
柔らかくて少し気の抜けた空気感が、居心地がよくこんなにも暖かな場所を作っている。
en.という場所は、学校のような場所だと思う。先生も生徒も、この雰囲気に惹かれて自然と集まってくる。
大人も子供も関係なく「学ぶ楽しさ」をシェアする場所。
彼女達の蒔いた学びの種は、様々な場所で輝かしく花を咲かすことだろう。

en.の皆さんに出会うには?
en.shareplace
釧路市鳥取大通3丁目20-16
Tel:0154-45-1085
http://en-shareplace.com/

かしこの編集後記
kashiko今回、取材にあたって何度もen.さんに伺わせていただきました!(迷惑)
赤間さんのじみぱん教室では図々しくも美味しいパンをいただいたり、甲谷さんの雑貨店では店内の気になるドライフラワーのお話を伺ったり、平川さんの手芸屋さんでは可愛いお洋服を試着させていただいたり、荒井さんには美味しいコーヒーを淹れていただいたり。
皆さんとおしゃべりをしていると、自分の中の学びの花が少しずつ首をもたげてきます。
「学びたい!」気持ちだけでOKなので、ぜひen.さんへ遊びに行ってみてくださいね。
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