2014-11

2014-11-27
奄美の旅人と山梨の旅芸人が営む、楽しくてちょっと怪しい民宿・カレー屋

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増田和美(ご主人)

鹿児島県名瀬市(奄美大島)出身 釧路在住

やよい(奥さん)

山梨県出身 釧路在住

和美さん
1954年生まれ。鹿児島工業高校出身。
高校時代に出入りしていたユースホステルで自由な旅のスタイルに魅せられ卒業後「旅人」となる。
釧路に定住を始めてすぐに、やよいさんと出会い結婚。
数年後、民宿「休坂」とカレー屋「黒魔術」を営むことに。

やよいさん
元人形劇の旅芸人。釧路公演時、滞在していたユースホステルにて和美さんと出会う。
気遣いが優しくて、ちょっといたずら好きな弥生さん。
自然とおしゃべりしたくなるような空気感を持っている。小さい体で、大きな笑顔が特徴。

釧路駅から車で2km、釧路市内の繁華街である末広町から歩いて15分程に位置する住吉町。病院やNHK支局などが付近にはあるが、民家も多いこの地域は便利かつ穏やかな雰囲気である。
もともと「休坂」「黒魔術」は近くの浦見町にあったが、3年前にこの住吉町に移転した。

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休坂の外観・内観と明るい笑顔で迎えてくれたやよいさん

「宿」で自分達と旅人、旅人同士が繋がる場を作る

和美さんとやよいさんはとにかく周りの人と一緒に楽しむことが好きだ。
宿の夜はFMラジオがかかり、ビールと焼酎で和美さんは持論を語る。お客様へも質問をする。
その返答を自分なりに噛み砕いて考えまた語る。そして話の面白い点を探す。次から次に話の引き出しが出て来るので飽きがこない。
好奇心旺盛で色んな価値観を持つ人と話すのが好きだから、お客様の年齢・性別・人種が違えど、釧路での旅を楽しく過ごして欲しいという思いは変わらない。

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お客さんとの記念撮影。海外から来る人もいる

ー どういう宿を目指してここを始めたんですか?

和美さん(以下、和):和美:お客様同士で楽しい夜を過ごし、情報交換してもらう、いわゆる「旅人宿」だね。

ー お客様同士の交流はどんな風に生まれるんですか?

やよいさん(以下、や):マスター(和美さん)が毎晩お客様皆さんと飲んだくれるので、別々に来ていたお客様同士も仲良くなっていたよ。
和:日本人ライダーのお客様が、仲良くなった外国人のお客様を目的地までバイクで送って行ってくれたりすることもあったな。

ー 増田さんご夫妻が、人をつなぐ役割となって素敵な出会いが生まれていたんですね。増田さんとお客様との交流エピソードもありますか?

や:昔はお客さんも家族もぐっちゃぐちゃだったの。素泊まりの民宿だから本当は食事なんて提供しないのに、ご飯も一緒に食べたりね。
泊まりながら居候になったり、結構昔の旅人は半年以上居た人もいたね。
和:中国の留学生も来たなあ。学生・一人者・写真家…みんな思い思いの旅を楽しんで居たよ。
や:娘達(増田さんには2人の娘さんがいる)の誕生会といったらお客さんとみんなでやったんだよ。
和:お客様と「子守唄合唱団」っていうのをやっていて外で歌った時もあった。
や:毎夜、歌ったり踊ったり騒がしくしていたからご近所さんには迷惑をかけていたと思うな笑
和:宿主の俺たちもお客様との交流は楽しいからね。

ー 今でも交流のあるお客様はいらっしゃいますか?

や:この前は居候した子達が中学生になった息子を連れて来たので、その子に「大学生になったら一人で泊まりにおいで~」と言ったりね。
和:8月の繁忙期だけ、居候のお兄ちゃんにお手伝いをしてもらったりしてたので、その人たちは未だに連絡を取ったり会いに来てくれるよ。

「カレー屋」で旅人と市民が繋がる場を作る。

目指していた旅人同士が集まり語りあう宿を経営できた増田さん。
なぜ怪しい名前のカレー屋まで始めたのか?その理由も店名も謎である。

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ー 民宿だけでなくどうしてカレー屋さんもやることになったんですか?

和:今話したように、旅人と俺たちや旅人同士の交流はたくさんあったんだけど、市民と旅人の交流はなかなか難しかった。
けど、せっかくだから民宿という「場」を通して、旅人と市民が繋がるきっかけをつくりたいという思いがあった。
そこで、カレー屋をいう食事を共にする空間を作ることで、自然と交流が生まれるんじゃないかなというねらいがあったんだよね。

ー そういう意図だったんですね。市民と旅人との交流は生まれてるんですか?

や:若い旅人に「お兄ちゃん達どこから来たの?」なんて地元のおばちゃんたちが話しかけることがあるの。だからこの場所を作ってやっぱり良かったと思うよ。
和:当たり前だけど、もちろんカレーを食べにくるだけの人もいる。
全部のお客様が交流したいわけじゃないからね。けどそれはそれで良いと思ってる。
まちに普通に暮らしている人と旅人の自然な繋がりを作る場所だから、大げさに「交流の場です」みたいには謳っていないんだ。

ー ねらいは自然な交流を生むことなんですね。ちなみにお店ではどんなカレーを出しているんですか?

や:最初は、東京の秋葉原で私が食べていたカレーが好きでそれを出していたの。
今とは全然違う、玉ねぎを炒め尽くし、スパイスが入った真っ黒いカレー。
だけどそれはお客様の好き嫌いが激しかったので、万人から好まれるポピュラーな味のカレーに変更したの。
かといって普通のカレーではないものにしたいと考えてはいたんだ。
そこで、カレー屋さんの講習会に参加した時のレシピを自分なりにアレンジして、今のカレーが決まったんだよね。

ー どうして「黒魔術」というちょっと気になる店名になったんですか?

や:怪しいでしょ笑?当初のカレーが黒かったのと、常連さんとよくやっていた「黒魔術」という言葉遊びゲームを引っ掛けて付けたの。
周りにはイメージが良くないと反対されたんだけど、マスターがどうしてもこの名前が良いと聞かなくてね。
独特なので、最初はなんで黒魔術なんですか?とだけよく電話が来ていたよ~笑

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ご主人が作るスープカレー&ひき肉カレーセット

自由な旅のスタイルに夢を描いた高校時代~20代

「お客様同士が交流し、情報交換してもらう旅人宿」を目指した和美さん。
なぜその志を持ったのかその背景をみてみると、鹿児島の高校時代、和美さんは知り合いが経営していたユースホステルに、無給でお手伝いをしによく通っていたことが大きい。
そこで1人旅や、自転車・バイク・ヒッチハイク旅など自由な旅のスタイルがあることを知り、「卒業後は自分もそんな旅をしよう、そしていつか、自分もこういう宿をやってみたい」と強く思うようになったのだそうだ。

ー 卒業後の旅の行き先や、開業する宿の場所はどういう基準で決めたんですか?

和:どうせやるなら北海道でしょと。
極端が好きなんだよね笑。とにかく「ハジ」がいい。
誰にお勧めされたわけではないけど、旅や宿をやるのは北海道だ、とそう決めていたんだ。

ー ヒッチハイクで北海道旅に出た後、仕事はどうしたんですか?

和:札幌の宿で、「日高地方に良いバイトがある」という情報を聞いたので日高に向かった。その途中乗せてくれたあるドライバーが日高の牧場長で、「うちに来ないか?」と誘ってくれたんだ。
北海道に住むとだけ決めて職業は決めていなかったけど出来れば北海道らしい仕事が良いなとは思っていたから牧場は良いなと思ったよ。
けどね、自分の中では「北海道の牧場と言えば、牛」だと思っていたら、そこは馬の牧場だったんだよね笑。
それも競走馬。だいぶイメージはちがったんだけど、まあいいやと笑

※日高地方…北海道中央南西部に位置し、北東は日高山脈に接し、南は太平洋に挟まれた地域。競走馬の産地として有名。

馬牧場で働き始めたが3年後、オイルショックの影響で牧場は廃業。
和美さんは日高を出て、牧場長さんのご家族が営む千葉県の牧場でお世話になることに。
だが北海道で宿がやりたいという気持ちが捨てきれず5年後、その牧場を離れて再び北海道を目指した。

ー そこで、釧路を目指したわけですね?

和:いや、今度の目的地は行ったことのない東側とだけしか決めていなかったんだ。
釧路が決め手になったのは、釧路で宿泊したユースホステルとの出会いが大きかった。
管理人さんやお客さんとの深い交流もでき、まちの色々な情報を知れた。
それで「ここだ!」と感じて、釧路に住むことを決めたんだよね。

釧路で働く~念願の宿開業

宿の開業資金を貯めるため、釧路でのアパート生活をはじめた和美さん。数ヶ月後、人形劇の旅芸人をしていたやよいさんと出会い、結婚した。
和美さんは外で働きに出ていたため、やよいさんが1人で宿を切り盛りすることに。

ー 和美さんは当時どんな仕事をしてたんですか?

和:最初はサイロの中の飼料を置く場所の補修工事をしていた。
そのあと魚箱生産工場で働いたよ。

ー 釧路で仕事をして良かったことは?

和:旅で来た時の釧路と働いてみた時の釧路だとだいぶイメージが変わったのね。
すぐに宿をやっていては見えてこなった本当の意味での釧路の「暮らし」の視点ができた。
湧別炭鉱とかさ、北方領土から引き上げて移住して来た人とか、大変な生活をしている人もいたことがわかったんだよね。
なんでこんなに釧路の人は甘いのとかしょっぱいの食べるのかなとかさ、冬に部屋の中を暑くする理由、外歩かない理由とかさ、俺たち道外の人にはわからない。
ところが住んでみるとなんでそういう習慣なのかが、だんだん見えて来る。
地元に住んで地元の人と働かないと見えてこない視点だよね。

※湧別炭鉱…釧路市(旧阿寒町)の炭鉱。爆発事故を機に1970年に閉山。

ー やよいさんは宿をやりたいという夢はあったんですか?

や:いえいえ笑
一緒に住み始めてから宿をやることは聞いたので、最初はびっくりしたよ笑
けど私の場合感情に浮き沈みがあまりないので、お客様との共同生活も楽しんでやってこれたとは思うよ。

宿を始めて10年くらいで魚箱生産工場を退職し、2人で宿をやることになり、今のスタイルが確立されたそうだ。

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宿を始めた頃のお二人と、移転前の休坂

自分でできることは自分でする

増田さんご夫妻の生活はシンプルだ。
和美さんは食事を作り、宿の支度をし、カレーの仕込をし、日課のジョギングに出る。
弥生さんは宿や家の用事を済ませ、予約の管理をし、お客様と語り合う。
宿とカレー屋の仕事は彼らの生き方にとけ込んでいる。
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ー 「休坂」と「黒魔術」をやるようになって生活はどうなりましたか?

和:自分では貧乏な気はしていなかったんだけど、ある時、冷静に年収を考えると「これは相当な貧乏なんじゃないか?」と思ったんだよね笑。
まあけどね、貧乏だから生活を切り詰めるじゃない?車を持たないようにするとかね。
買い物は全部自転車や歩きで済むし、自分で作れるものは自分で作るしね。

ー 客室の家具もご自身で作られると聞きましたが本当ですか?

和:ベッドも棚もデスクライトなんかも手作り。今はベンチを作っているよ。

正体不明の民宿兼カレー屋は釧路のまちに惚れた旅人だった。
和美さんは人や文化や街並みに自分なりの思いを持つことに時間を使い、実体験から生まれる説得力のある言葉で、発信を続けている。
だから毎日欠かさず書くブログは、愛読者が多いのだと思う。
増田さんご夫妻は3年前から現在の場所に移転したが、宿とカレー屋のコンセプトは変えずにいる。
お客様同士が交流し、情報交換してもらう旅人宿をやることが夢だった和美さん。
宿とカレー屋という交流の場を作り、生の情報収集を欠かさず、それを会話やブログで発信する。
やよいさんの力も借りて、旅人時代自らがそうされたように、旅人たちの自由な旅がさらに楽しめるようアシストする。

増田さんと出会うには?
民宿「休坂」/カレーや「黒魔術」
釧路市住吉1丁目3-7
0154-41-5503
かれーや「黒魔術」の営業時間:12:00~15:00(月曜日定休)
メール:ghh14417@nifty.ne.jp
HP:http://homepage3.nifty.com/yasumizaka
ブログ「休坂の酔いどれ日記」:http://d.hatena.ne.jp/yasumizaka

ぼりの編集後記
boriかれーや「黒魔術」のカレー食べてきました!
スープカレーは少し辛めのスープでコクがあるがあっさり。
ひき肉カレーは非常にボリューミーで飽きのこないお味。
どちらも甲乙付けがたいのでセットで両方いただけるのは嬉しいですね。
一から作って下さるチャイもおススメ!ぜひあったまってみて下さいね~!
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2014-11-24
もの作りへの向き合い方を体験させる日本一の模型専門店

三宅一明

釧路市出身釧路市在住

1973年生まれ
札幌の専門学校を卒業後、そのまま札幌でカメラマン、カメラショップ店員、大手電子機器メーカーの講師を経験。
専門店の必要性を感じて、家業である模型専門店「ミヤケ模型」を継ぐため釧路へUターン。
現在、3代目代表取締役社長。
模型を通して「もの作りの楽しさ」を様々なアプローチで伝えている。
一流の模型オタクを追求中。

JR釧路駅前通りである「北大通り(きたおおどおり)」は オフィスビルや中小商店などが並んでいる。
三宅さんが営む「ミヤケ模型」はその北大通りのはじまり、駅からすぐのわかりやすい位置にあり、日々模型好きの常連客や子ども達がお気に入りの商品を求めて来店する。
経営をしながらご自身の創作活動も意欲的に行っているという三宅さん。その活動拠点にお邪魔した。

「職人」ではなく100%「模型専門店の店員」

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30坪の店内には、塗料・工具・プラモデルを合わせて、約2,000点ほどの商品がびっしりと並ぶ。
その他に、お客様からの提供作品や三宅さんの作品も飾られている、なんとも異空間。
2階のスペースはミニ四駆イベントに利用したり、その奥にある三宅さんの「模型工作室」は学生模型サークル等へ貸出をするなどとして、お客様の「遊び場」の役割も担っている。

ー 普段、この「ミヤケ模型」でどのように過ごしてらっしゃいますか?

営業時間内は1階で模型屋の店員としてお客様に接して、閉店後は2階の「模型工作室」で自分の技術を磨く時間を毎日4時間くらい過ごしてるよ。
作品はコンテストや展示会に出展しているんだ。

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お客様が作った模型を展示するスペース
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ミニ四駆イベントを行うスペース
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作業部屋で制作する三宅さん

そんな三宅さんの技術はすさまじく、大手玩具メーカー・バンダイ主催の「プロショップマイスターコンテスト」では、なんと全国一位に。
「箸にも棒にもかからなかった」と言う開催1回目の結果を経て、2回目には最優秀賞を受賞し、4回目も最優秀賞を受賞した。

※「プロショップマイスターコンテスト」:バンダイが選定した豊富な知識と技術を持つ模型専門店販売員「プロショップマイスター」を対象に開催。
全国から集まる約100点の模型作品の出来映えを競うコンテスト。

ー 模型作りでこだわっていることは何ですか?

「改造はせず既製品に手間と工夫をかけること」。
箱の中に入っているものだけでも丁寧に時間をかけて塗装したらここまでの作品が出来るということを伝えたいので、別売のパーツを付けたり、プラスチックを付け替えたり、削って別の形に加工するなどということはしないんだ。
その代わり、精度が上がると思うことは徹底的にやる。
他の人が30分でやる所を3時間かけて丁寧に仕上げるとか、この面が平じゃないと思ったらやすりでものすごい平にするとか、そういう感じ笑
1つの模型が出来上がるまでに、一日4時間ずつ約一ヶ月半かかるんだよ。

ー 本当にこだわりがすごいですね!三宅さんの思う「模型」の良さとはなんですか?

1個の模型を十人十色のアレンジで表現できて、それが共通の話題となり人が繋がれるところかな。
その原型の歴史や地理などの背景を調べる行為も模型作りの一つの醍醐味であって、それを思い思いのポーズや塗装で表現するんだよね。
忠実に再現するのもOK、オリジナルの新しいものを作るのもOKで、それが面白い。
もともとは量販をしているオフィシャルなものなのに、世界に一個しかないものが出来るわけだからね。

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2回目の最優秀賞をとったアラレちゃんのビフォーアフター(左)と4回目の最優秀賞をとったガンダム(右)

一度離れたカメラの世界

模型にひたむきに向き合い続けるのには、今までにどんな経験があったからだろうか。
三宅さんは小さい頃からものを作ったり分解したりするのが好きで、お店にあったプラモデルやラジコンはもちろんだが、中でも「カメラ」が好きだったと言う。

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ー 模型屋さんではなく、最初はカメラをお仕事にされたんですね。

そう。継ぐ気は特になくて。
カメラが大好きだったので、高校卒業後は札幌の専門学校で写真を学んだんだ。
その後、スタジオカメラマンのアシスタント、ホテルカメラマンを経て、学校写真の引率カメラマンをやっていた時代に人生で一番の挫折を経験をしたんだよね。
まあ、今まで結構閉鎖された職場空間だったのもあり、社交性に欠けていたんだろうね。
大きな失敗をした上に、会社内での人付き合いもうまく回らなくなってきて、追いつめられて精神状態も厳しくなって。
とうとう俺はその会社に居られなくなってしまったんだよね。
それで大好きだったカメラとも一切離れてしまうことになった。

ー 三宅さんは穏やかで明るい印象がありますが、そんな経験をされていたなんて驚きですね。
その後はどうなってしまったんですか?

とりあえずビール園、居酒屋でバイトを掛け持ちして生きつないでたね。
けど、そこで多種多様なバイト仲間に出会って。
仕事首になってとか、音楽やるためにとか、何もしたいこと無いからとか…
結構人生適当でもなんとかなるな、って良い意味で肩の力が抜けて行ったんだよね。

ー その後はどうなっていったんですか?

カメラを再び手にし、バイト先の居酒屋でメニュー写真を撮影する等、少しずつ前向きに生き始めていった。
そんな中、よく機材を購入していた知り合いの小さなカメラショップから急遽欠員が出たので働かないかと誘われたんだ。
実家が専門店だったから、物販や接客の経験もあったんで、そこで販売員をすることになったよ。

ー 今度はカメラを売る立場になったのですね。

そう。けど数年後、大手量販店の札幌参入の影響でそのカメラショップは廃業しちゃったんだけどね。
でも大手電子機器メーカーの写真講師としてお声をかけてもらえて、すぐに仕事は決まったの。
実はメインの仕事が、不毛にも廃業の原因となった量販店のカメラ売場の担当教育だったんだけど笑。
その他は講習で全道各地を回ったり、販売店の販売応援もしていたよ。

カメラに関わる仕事を続けていた30歳手前の頃、実家の父親から「歳だしもう俺の代で模型店はたたもうかな」と言う話が出て来たそう。

ー お父さんの一言で継ぐ気の無かった三宅さんの気持ちはどう反応しましたか?

俺は大手量販店の内情を見て、「この売場はとうてい専門店と呼べる場所じゃない」と日々感じていて、親父の話を受けた時「専門店を無くすのはもったいない」と強く思ったんだよね。
それで、実家の模型専門店を自分の手で存続させるために、釧路に戻ることにしたんだ。

ー その内情はどんなものだったんですか?

自分で体験したことのないものを話している専門店や専門コーナーの販売員に違和感があって。使ったことがないものを勧めていたり、知識が浅いだけじゃなくて間違ってたり。お客様への情報がそこでは本物じゃなかったんだ。本物を知ってこその専門店であるべきだと思う。その意識は店の規模が大きくたって小さくたって関係ないんだ。

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今も続けるカメラマンの仕事

「価値破壊」を止めたい

店舗経営と模型創作の傍ら、子どもたちへ模型講習などを開いて体験の機会を出来るだけ設けている三宅さん。そこではテクニックではなくいかに丁寧に真剣にものを作るか、という「向き合い方」を伝える。

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ー 子供たちに伝えたいことはなんですか?

職人さんが長年努力して習得した技術で、丁寧に時間をかけてもの作りをすることに価値を感じているので、その「本物」の大事さや美しさを伝えていきたい。良いものも悪いものも知った上で選ぶのとでは大きな違いだからね。消費者がものを選ぶときの価値基準が「価格」に特化しすぎていることに、俺はずっと違和感を思っているんだ。

ー なるほど。模型を売るだけでなく、模型作りから得られる「本物とは何か」を感じて欲しいんですね。

そう。そう言うからにはまずは自分が手を動かしてやってみることは意識しているね。
模型は手間も時間もかかり、かなり非効率なものだけど、それが感じられる素晴らしいものだと思うんだ。

自分がまず模型のプロフェッショナルになり、本物を伝えられる知識とスキルを付ける。
店内のお客様からは「三宅さんは何を聞いても答えを返してくれる」「子どもにも丁寧」との声が上がる。
自分が慣れ親しんだ文化への危機感に対して、できることは、中に入って、 実体験して、自分が一番楽しみ、一人でも多くの人と共有すること。

三宅さんのとことん模型に向き合う生き方を見て、身の回りのものが、どんな人のどんな想いで作られているものなのか、知ってみたくなった。

三宅さんと出会うには?
ミヤケ模型
北海道釧路市北大通り13丁目(釧路駅前)
0154-22-2269
営業時間 平日AM10:00~PM8:00 / 日曜日AM10:00~PM7:00
mail hobbyshop_miyake@opal.plala.or.jp
HP http://www8.plala.or.jp/hobbyshop_miyake

ぼりの編集後記
boriミニ四駆イベントに行ってきました!会場では見たことも無い110mもの巨大コースが。その場で商品を購入でき、アドバイスを受けながら組立が出来るようになっています。
ミヤケ模型の常連さん、お子さん、そのご両親が一緒になってミニ四駆を走らせたり応援したり大騒ぎ。
その熱っぽい光景はとっても微笑ましく楽しい。年齢関係なく遊べるって本当にすごいですね。ぜひ皆さんもお気に入りの遊びをミヤケ模型で探してみて下さい!
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2014-11-20
【終了】12/13 第2回クスろワークショップを開催します

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※本イベントは無事終了しました!詳細は活動レポートをご覧ください。

「クスろワークショップ」は、釧路を訪れた人も、その人をお出迎えする私たちも、
ともにクスクス笑顔で過ごせる
まちになるためのワークショップです。

2回目となる今回のテーマは「こんな街には住みたくない」という架空の最悪の街「くしろ」を考えます。
最悪の街を考えることをキッカケに、住みたい・遊びに行きたいと思う理想の街に必要なことは何なのかを、
飲み物
を片手に気楽に考えてみませんか?
詳細はこちらをご覧ください。

すでに活動してる方も、ちょっとだけ興味がある方も、釧路を元気にしたい方も、
どうぞお気軽にご参加ください。

※第1回目の様子は活動レポートをご覧ください。

【会場・会期】
・会場  :This is EST(ジスイズエスト)
     北海道 釧路市 栄町8丁目1番地
・日時  :12月13日(土)14:00 - 17:00
      ※ワークショップ終了後に懇親会を予定
・参加費 :500円

【申し込み・お問い合わせ方法】
いずれかの方法で、お名前とご連絡先をご明記の上ご連絡ください。
・メール
クスろワークショップ事務局
info[at]kusuro.com
※[at]を@に換えてください

・facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/816974901694349

・ FAX
0154-91-7308( 担当:夏堀)

みなさまのご参加お待ちしています!

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